バイヤーとは、生産元から商品を買いつける仕入れ業務を行う人のことを指します。「たくさん売れそうだな」と思う商品を見極めて大量に買いつけ、店頭に並べることがメインの仕事となります。
バイヤーが買いつける商品には、様々なジャンルのものがあります。洋服、シューズ、バック、宝飾品、家具、家電、雑貨、食品など、セレクトショップで働いているバイヤーの場合は「シューズ専門」「洋服専門」とジャンルを決めて活躍している人もいます。
バイヤーの仕事をするためには「売れそうな商品を見極める」ことが何よりも大切です。このためには、商品に対する幅広い知識や洞察力を持ち、時代・環境・ニーズ・トレンドを読み、予想することが求められます。
買い付けは、春夏、秋冬などのシーズン毎に行われます。年に2回から4回の買い付けが一般的です。シーズン毎に洋服や雑貨の展示会が行われ、そこにバイヤー達が集まって買い付けを行います。展示会では、会場内にはいくつものブランド、メーカーがブースを持ってサンプルを展示して商談します。また、日本国内のみならず、フランスやイタリア、アメリカといった世界各国の展示会に参加し、世界最先端のファッションシーンに触れ、商談をまとめ仕入れを行う場合も少なくありません。商談においてのコミュニケーション能力はもちろん、海外での仕入れ活動を行う際には語学力も必要となります。
また、仕入れ業務をするうえで、そのシーズンに使える予算がバイヤーに与えられます。その予算に応じて、MDと共に何をどれくらい買い付けするのかを事前に決め、カテゴリー毎の予算の振り分けをしてバイイングにのぞみます。バイイングでは、何を何個買うのかをその場で決めないとならない事ことが多く、その商品が本当に売れるのかを即時に判断しなければならない場合もあるので、高いスキルが必要になります。バイイングした商品が売れなかった場合、在庫過多となる可能性もあるため、特に慎重に目利きする必要のある重要な業務なのです。
全国の店舗を視野に入れて、その地域や店舗の特性を考えてバイイング数量を決めることもあり、高い数値管理能力が必要で、その他にも現状把握や情報収集の能力、トレンドやデータの分析能力など様々な能力や経験が必須となります。センスが良いだけではバイヤーにはなれません。
アパレルショップ、とくにセレクトショップのバイヤーには販売員出身者が多くいます。販売員はブランドについて深く理解していて、店頭で何が売れるのかをよく熟知います。また、販売員出身者は憧れのバイヤー職に就くとモチベーションも高く、良いバイヤーになる事も多いようです。まずは、接客などアパレル業界の基本的なスキルを学び、ショップやブランドの特徴を熟知し、十分に経験を積んだ上で、先輩・上司のアシスタントをしながらバイヤーとしてのキャリアを積んでいます。