■仕事・職種編 | ■業種・業態編
◇ビジネスの仕組み◇
現在は、ファッション業界の仕組みも多様化しているため、ここでは、アパレルメーカーを機軸としてモデルケースを用い基本構造のみの説明とします。
従って、「営業希望である」と一口に言っても、どこで営業をするのかによって仕事内容はかなり異なると考えなくてはなりません。より具体的に「どんな営業をしたいのか」を突き詰めていくことによって自分にあった会社選びができ、希望の職に就けることとなります。ですから、就職活動の際は、各企業の業態・業種の内容などよく理解した上で参考にしていただければと思います。

ベーシックな体系として、洋服を前提とすると、洋服の生地を仕入れる/洋服自体をプロダクトする/洋服を販売するというのが基盤にあります。現在では市場の多様化によりどの機能をどう持ち合わせていくかは個々の企業の方向性によって変化している状況です。


@アパレルメーカーが小売(販売ルート)機能を備えている場合
 アパレルメーカーは、自社店舗のマーケティングや企業ブランドコンセプトに基づき、商品企画を行い、商品作りに必要な素材(生地・ボタンなどの付属品)を商社より入手し、企画した洋服の商品製造過程を商社に委託する形をとっています。商社が自社独自で工場を持つことは少なく、提携工場や資本投資での工場に縫製・検品・品質検査などを依頼するのが主流です。
ただし、アパレルメーカーの中では、自社で商品生産過程を商社へ依頼するのではなく、自社自ら提携工場を持つ場合や生産工程のみ請け負うOEM会社へ委託する場合もあります。商品企画〜販売に至るまで一環して自社でコントロールしている企業がいわゆるSPAと呼ばれるものです。一貫して自社で行うことにより、コスト削減と消費者にできるだけ低価格で商品を提供することができ、また消費者ニーズをダイレクトに商品企画に反映させることが最大のメリットです。近年はこのSPAスタイルを基本としながらも市場ニーズに迅速に対応できるように、すべてコントロールするスタイルから一部を切り分けて委託し、より柔軟に対応しつつリスク軽減のスタイルをとるように変わってきています。どの部分を委託するかは企業の特色や方針によって異なります。アパレルメーカーにおいては、商品マーケティング/商品企画/デザイン企画/生産工程管理/販売/店舗展開などのセクションが存在し、商社では既存の素材調達分野だけでなく、工場提携や工場との生産工程コントロールの分野も備えています。縫製工場が得意の縫製技術から派生して企画そのものから携わり生産管理工程をするなど時代の流れとともにそれぞれが従来の専門性を生かしつつ他の分野にまで幅を広げている現状があります。
小売機能をもつ場合は、販売のルートは図にあるように様々な展開があります。
(→詳しくは店舗展開へ)いずれの場合も、自社の販売する店舗を持ち、自社販売員で接客販売を行うもしくは無店舗の場合は、通販での販売展開や自社のサイトでのインターネットショッピングあるいは催事を行い集客した顧客に販売するスタイルなどいずれの場合でも自社でコントロールすることが可能です。

Aアパレルメーカーが小売(販売ルート)機能を持たない場合
 アパレルメーカーが小売機能をもたない場合は、ダイレクトに小売業へ商品を卸されます。
百貨店やファッションビルで商品は販売されているが店舗として名前がない場合やセレクトショツプでの販売もしくはテレビショッピングなど企業名そのものより、商品特性やデザイン性、価格帯などが顧客にとってのポイントになり、商品PRや顧客ニーズを敏感に反応し供給していくことを迅速に対応しコントロールすることが難しいというデメリットを抱えますが店舗に係る経費を削減でき、それを企画開発など他の経費とすることができるメリットを持ち合わせます。




◇店舗スタイル◇
大きく店舗を持つのか否かで二つに分類されます。

@店舗あり
百貨店/ショッピングセンター・ファッションビル/GMS/アウトレットモール/自社店舗(建物自体すべてがその企業の商品のみの販売)
 他の店舗や商品がある中で、自社商品を販売していくのか、自社だけの店舗なのかにより接客や営業や商品企画の分野での動きが多少異なってきます。他の店舗との共存の場合、売上をあげていくことが良いロケーションを獲得し、好条件での折衝が可能になります。そして広いロケーションはブランド力アピールにもなり、それが販売の現場にも反映します。自社の店舗であれば自社ブランドへ興味関心のある顧客が中心ですから、ブランディングの維持・コントロールや、空間提供などサービスの徹底が重点とされる傾向もあります。

A店舗なし
百貨店平場/セレクトショップ/インターネットショッピング/カタログ通販/テレビショッピング/ホールセール
店舗を持たない場合、小売業に卸すルートは2つに分類されます。

-消費者である顧客が商品を手にとって見ることができる-
百貨店一階の商品がランダムに陳列されているいわゆる平場もしくはセレクトショップや地方などの個人専門店です。
デザイン性や顧客ニーズにどれだけ柔軟・迅速に対応できるかが鍵です。
店舗は流行やセンスなどを提供する空間でもあるので、大量の商品提供よりも、センスとデザイン性のあるものを少量で提供し、顧客の購買意欲を刺激することも見えないミッションといえます。※ ホールセールとは自社商品をある特定の方に向けて案内をし、販売するスタイル。アウトレットなどもホールセールと呼ぶ企業もあります。

-商品を手にとって見ることはできない-
ネットショッピングやカタログショッピング、テレビショッピングがあります。もちろん、デザイン性が求められないことはありませんが、むしろ価格・商品提供力・利便性などが重要になります。お得感、お値打ち感をアピールできる商品企画も含まれます。